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アムウェイ勧誘&洗脳

 三日後くらいに同じバーに行ったらA子とB男がいて、最初は雰囲気を和ませるための会話?みたいなのを長々としてきた。全部で「30分くらいで終わる」って話だったのにこの時点ですでに1時間・・・。で、さらに俺の年収がどうだとかラットレースがうんぬんとか年金は危ないとか権利収入と労働収入の違いとか株・FX・アフィリエイトなんかは権利収入にはならないとかっていう話を延々した後に、ようやく「じゃあ奥の部屋で本題に入ろうか」ってことになった。ちなみにこの時、バーには俺の他に客はいない。他の客に話を聞かせないために、それとたぶん俺が逃げにくくするためにわざと閉店日をチョイスしてやがったんだわ。だいぶ後になって、それがこのグループの勧誘パターンだってことを知った。

 奥の部屋では、B男からアムウェイについての話を2時間ほど聞かされた。内容はみんな知ってるだろうから割愛で。システムの話とかラーメン屋のたとえとか、王道の話ね。ちなみに、俺がアムウェイを知ったのはこの時が初めて。アムウェイだけでなくマルチ商法に対して無知だったのと、もともと株やらネット上のお小遣いサイトやらアフィリエイトやらをやっていて副業に興味があった俺、もうびっくりするくらいすぐに洗脳されたw
 最後にB男が「今の説明だけじゃ理解できないだろうから、明日ミーティングを一緒に受けに行こう。それと間違って伝わったらダメだからまだ誰にも言わないでほしい」って言ってきたから殊勝ぶって「わかりました」って返したんだが、心の中では(いや、俺がやってるアフィリとシステムほぼ同じだからこれ以上聞かんでもすぐできるわw)って思ってた。そんな考えだから引っかかったんだろうな・・・orz

 翌日はA子と一緒にミーティングに行った。OMとかいうやつで、これも内容は他のサイトを見ればわかるだろうから割愛。講演してたのは名前も知らんエメラルドだった。ミーティング後にA子、B男と一緒に「アフター」に誘われて、近くのマクドでコーヒー一杯だけ頼んで1時間にわたってミーティングの感想なんかを聞かれた。(んなのどうでもいいから早くアムウェイやらせてほしいんだけど。こっちはその気になってるのに、なんでこの人たちこんなに慎重なの?)って思ってたけど初対面に近いB男がいたので言わなかった。その日も勧誘はなし。かわりに次のミーティングの約束を取り付けられたのと、DVDを渡されて家で見てくるように言われた。ハダとかいう人がアムウェイについて説明してるDVDだったと思う。とにかくアムウェイを早く始めたかった俺はかじりついて観た。DVDを見終わった俺はもう勘違いもいいところで、絶対俺なら成功できると錯覚するレベルにレベルアップしてたw

 ついに勧誘されたのは次のミーティングの時。この日はA子ではなく現地でB男と合流して会場ミーティングを聞いた。講師がホワイトボードに十字線を引いて、4つに分かれたスペースにそれぞれ「I」「S?」「E」「O」と書き、「O」になるのが一番いい、そしてアムウェイをやれば誰でもOになれる的な話をしていたように思う。ちなみに「O」ってのは「オーナー」ね。雇われるんじゃなくて自分がオーナーになることで、労働収入じゃなくて権利収入が得られるって話。
 ミーティングが終わると例のマクドでアフターをすることになったんだが、そこにはA子もいた。で、A子からアムウェイのスターターキットを受け取った俺はその場でサインした。IDとパスワードまでA子に教えないといけなかったのは物凄く疑問に思ったが、この時にはアムウェイをやりたくて仕方なかったから、まあいいやと思ってた。(「万が一俺がパスワードを忘れた時に複数人で管理してれば安心だから」っていう謎理論だった。)
それからは、ミーティングに何度か足を運びつつ、B男の自宅かときたまC男の自宅でホームミーティングという名のアムウェイ製品の実験を見せられる日々が続き、なかなか勧誘をさせてもらえなかった。「まだ俺くんはアムウェイのことが100%わかっていないから」と繰り返し言われたのを覚えてる。

 会場ミーティングはたいてい面白かったが、リ○ダ○ンとかいう男だけは最低の講演をしていた。「俺は昔アムウェイが大嫌いで、勧誘してきた友人を何人も殴って退会させたことがあるんだが、今では買い物に行って家に帰るまでの間に出会ったおばちゃん達に手当たり次第声をかかえてアムウェイを伝えている。アムウェイの素晴らしさが理解できない人はすぐ切って次々に声をかけるのがコツ」とか言っててぶっちゃけ引いた。でもB男とC男はその人を崇拝してるようで、当時の俺はまあ考え方の違いかくらいに思ってたけど、あまりにもムカついたから「俺、あの人のミーティングには一切出ないんで」って言い放っておいた。A子は困ってたみたい。

 あとそれと、ホームミーティングで見せられる洗剤類の実験は当時から、こんなもん見せたら勧誘されてる側の不信感がめちゃくちゃ高まるだろうが。どういうつもりだよって疑いに疑ってて、俺はこんな逆効果な実験はせずに勧誘しようって密かに決意したりしてた。ぶっちゃけ俺はアムウェイのボーナスシステムに興味があっただけで、商品がいいと思ったことは一切なかった。どれだけ贔屓目に見てもA子やB男が言うように「価格の割に品質がいい」とは思えなかったし、むしろ高いとさえ思ってた。まあそれでもギクシャクするのは嫌だったから、アムウェイ製品すげえ!って言ってるA子たちの前ではいちおう相槌打ってたけど。後にB男の兄弟系列?のDDが「旅行に行ってアムウェイのシャンプー忘れたら髪の毛キシキシになるしマジで旅行中凹むわー」とか叫んでたのは、アホかこいつって思いながら見てたけど。洗脳された状態の俺でさえ「あー、これがアムウェイ信者かー。こうはなりたくないなあ」って思ったレベルだったからね。「アムウェイの空気清浄機をつけて寝ると、睡眠の質が変わるで!」とかほざいてたA子も同じくらいのレベルか。話は変わるけど、ミーティングに参加しまくってアムウェイのことを100%知るまでは(=洗脳が完全に済むまでは)勧誘は一切させないし、バーの中ではアムウェイの話題を出さないというのがこのグループの決まりらしかった。バーの客の中にはアムウェイ信者じゃない者、つまりプロスペクトもいて、下手にアムウェイの単語を出してしまうと勧誘がうまくいかなくなったりバーの客足が遠のいたりすることがあるかららしい。

 でもとにかくアムウェイのシステムがすげえと思っていて勧誘がしたかった俺は、アップとの約束を破りまくった。でもって法律だけは犯さないように決めていた俺は、アムウェイのスターターキットに「勧誘するときには必ず事前に目的を伝えましょう。そうしないと特商法違反になります」って書いてあったのを読んでバカ正直に「俺今アムウェイっていうMLMをやってて、ぜひお前を勧誘したいから話を聞いてくれ」ってセリフで4人にアポを取り、最終的にはうち3人を実際にバーに呼び出し&会場ミーティングに参加させることに成功した。とはいえ、会場ミーティングに参加させた頃にはアムウェイが害悪であることに俺自身が気づいてしまっていたから、丁重に謝って彼らを入会させることだけは阻止できたのが不幸中の幸いだったわけだが。
 ちなみにこの頃の俺は自分が洗脳されてたことにちょっとだけ気づいていた。だって、B男やC男はともかくとしてA子はあまり話が上手くなく、かなり強引な話題の切り替えをしてA子が持っていきたいであろう方向に無理やり話を引っ張ろうとする不自然さが目立ってたから。「自分たちの価値観を俺に植え付けたい感」があまりにも丸出しだった。それに、C男の家の本棚には洗脳関連の本がいっぱいあったしw 隠せよw ただ、アホな俺は「洗脳は悪いものだと思われがちだが、今まで自分の見ていた世界こそが悪いものでアムウェイの世界の方が正しいものなんだから、これはアムウェイに洗脳されているんではなくて学校とか社会によってされた洗脳をアムウェイによって解消しているんだ」なんて厨二な捉え方をしてたけど。今考えると顔を押さえて転げまわりたくなるわw


  4.ハイピンD子のワーク

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